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2017年度 トルコ文化研究センター研究会 第1回

『南ウズベキスタンの仏教遺跡 ーカラ・テペとズルマラー』

講師
岩本篤志 氏(立正大学 文学部 准教授)

会場の様子

 2017年度第1回トルコ文化研究センター研究会が2018年2月15日(木)に甲子園会館にて行われました。今回は立正大学文学部准教授の岩本篤志氏をお招きして「南ウズベキスタンの仏教遺跡 ―カラ・テペとズルマラ―」というタイトルでご講演をいただきました。
 カラ・テペとズルマラは、ウズベキスタンのスルハンダリヤ州、テルメズに位置します。テルメズはクシャーン朝下には仏教が隆盛し、7世紀には玄奘も訪れたことのある場所として知られています。
 まずは、南ウズベキスタンの仏教遺跡が位置する地理的特徴についてご説明いただきました。そして2014年からの立正大学ウズベキスタン学術調査隊によるカラ・テペ発掘の成果について、従来の知見では仏教寺院としての機能は4世紀頃までだったということから、立正隊の調査により6世紀頃までだった可能性を示唆する新たな発見があったことをご教示いただきました。後半ではカラ・テペから南西の方角に見え、現在、立正隊が保存修復や復元案作成に向けて調査研究を行っている、ズルマラの仏塔についてお話しいただきました。講演後の質疑応答の時間では、活発な議論が交わされました。
 仏教東伝や中央アジアにおける仏教伝播、シルクロード東西史を考える上で欠かすことのできない、重要な歴史都市について学ぶことができました。


 

■日時:

2018/2/15(木) 13:30~16:00

■講師

岩本篤志 氏 (立正大学 文学部 准教授)

プロフィール
立正大学文学部史学科准教授。専門は東洋史、主に敦煌文献を中心とした典籍研究および東西交渉史に従事。静岡県出身。早稲田大学教育学部卒業、同大学院文学研究科後期課程退学。博士(文学)。(財)東洋文庫奨励研究員、新潟大学大学院助手等をへて、2012年より立正大学に。近著に「南ウズベキスタンの古代遺跡」(『ユーラシア研究』第56号)、「敦煌景教文献と洛陽景教経幢」(『唐代史研究』第19号)など。

■会場:

上甲子園キャンパス 甲子園会館 西ホール

西宮市戸崎町1-13 (JR「甲子園口」駅下車徒歩10分)

>>甲子園会館へのアクセス

■参加対象者:

入場無料・事前申込不要 (学外の一般の方も参加可能です) 

■問い合わせ先:

武庫川女子学トルコ文化研究センター
TEL: 0798-67-4501