元NHK新シルクロード・プロデューサーで、東京藝術大学特任教授の井上隆史先生を講師としてお招きし、講演会を開催しました。

　前半は「エジプトの謎を掘る」というタイトルでご講演をいただきました。ツタンカーメン王のマスクに使われるラピスラズリの話から始まり、ツタンカーメンに関わる人々の概要、ツタンカーメンの墓室横の隠し部屋に関わる論争、ピラミッド建設の目的に関わる諸説など、エジプトの考古学に関わる基礎的な知識を教えていただくとともに、ご自身が撮影に関わられたダハシュール北遺跡発掘調査の概要を、様々なエピソードとともにご紹介いただきました。

　後半は「楼蘭の謎を掘る」というタイトルでご講演をいただきました。ヘディン、ロプノール、タクラマカン砂漠等、楼蘭に関わる基礎的な知識を教えていただくとともに、楼蘭の一角にある小河墓遺跡発掘調査の概要を、ミイラ発掘の瞬間の貴重な映像やその撮影のエピソードとともにご紹介いただきました。さらには住居跡が無いなどの多くの謎についてご教示いただき、楼蘭の魅力をお伝えいただきました。

　空間的にも時間的にも、普段の私たちの世界とは異なる広大なスケールのお話に触れることができ、普段の私たちの建築設計のスケール観を改めて見つめ直すきっかけともなる、非常に貴重な講演会となりました。