武庫川女子大学 建築学科・大学院建築学専攻
武庫川女子大学大学院 建築学専攻修士 2年生
「建築設計総合演習III」
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H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題2: シザーズ型展開構造の空間構築」 講評会
新着
2014年7月30日 13:05〜16:20
担当:榊原教授、杉浦准教授

建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
施工実習室で実物を前に学生が説明
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
小アーチ部分を展開するデモンストレーション
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
講評室でスライドを用いて発表
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真 夜景
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真 夜景
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真 夜景
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真 夜景
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
竣工写真 夜景

 建築設計総合演習IIIおよび建築設計技術演習III 第2課題の合同講評会を実施しました。まず施工実習室で実物を教員にお披露目しました。学生が実際に小アーチ部分を展開するデモンストレーションを交えながら作品の概要を説明しました。その後、講評室に移動し、スライドを用いてシザーズ方展開構造の理論や今回制作した作品の特徴や工夫した点、設計・制作プロセス、展開プロセス、工程計画、費用、竣工写真などを各学生が発表しました。
 教員からは、「既製品を組み合わせて」「実用レベルに近いところまで漕ぎ着けた」という評価もありましたが、「風の吹き上げに対する構造的検討が不十分」、「室内側に金属製のジョイントがむき出しで危険」などのコメントもありました。学生たちは手応えと同時に実用に耐えうる建築物に求められる安全性の重要さを改めて実感したようです。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題2: シザーズ型展開構造の空間構築」 第11, 12週
新着
2014年7月21日、22日、24日、28日 13:05〜16:20
担当: 岡崎教授、榊原教授、田崎教授、杉浦准教授

建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
試作した膜を用いて妻面の膜の納まりを検討。長方形の屋根膜をヴォールト型のフレームに被せた時に、妻面で余る膜をいかにして処理するかが問題となる。検討の結果、フレーム妻面に放射状に取り付けた2本一組の木製下地の間に余った膜を引き込む方法が採用された。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
マジックテープのベルトを膜端部に縫い付ける。膜の接地部分端部はこれを用いてフレームに固定する。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
接地部分のスペーサーをフレームに固定するためのベルトを屋根膜と同じ素材で制作。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
妻面に追加する小アーチの組み立て
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
フレーム少し開いた状態で屋根膜を載せ、フレームと膜を一体的に展開してみる。各部の挙動やスムーズで安全な展開が可能かをチェック。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
膜屋根の妻側端部をフレームにあわせて裁断。余った膜をフレームの妻面に取り付けた木製下地の間に引き込み妻面のファサードを整える。ついに完成形が現れてきました。この後、裁断した端部をミシンで縫って仕上げ、屋根膜が完成。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
屋根膜の妻側端部にハトメ加工を施し、フレームに取り付けたワイヤーにロープでつなぐ。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
アーチ方向にロープを架け渡し、膜屋根を押さえて膜に張力を導入する。これにより風による膜のばたつきを抑える。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
7月22日には三井ホームの方々が見学
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
施工実習室で照明計画の最終チェック
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
ライトアップ時の光と陰影
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
甲子園会館前の広場に完成したシザーズ型展開構造の建築を設置

 5月半ばから2ヶ月をかけて企画・設計・制作してきたシザーズ型展開構造の空間構築の課題もいよいよ大詰めです。屋根膜とフレームの納まりも確定し、それに必要な屋根膜端部の加工、各種部品の制作と組み立てに力を注ぎました。
 また、展開・収納を繰り返し、各部の挙動やスムーズかつ安全な展開ができるかどうかをチェックしました。企画段階からフレームを展開する前に地上近くで屋根膜を取り付け、フレームと膜を一体的に展開することを目標に掲げてきましたが、実際には膜とフレームの頂部の間の摩擦が意外に大きいこと、外部で展開する時は風が想像以上に作業の妨げになることなどがわかりました。これらを踏まえて展開・収納時の人員配置や手順、段取りを再検討しました。
 制作作業が完了した7月24日の夜には、施工実習室で照明器具を実際に設置して器具配置や光源の種類を確認。和紙のような豊かな表情を持った屋根膜が暖かみのある光を半透過し、建物自体が発光しているようです。狙い通りの効果が得られました。
 7月28日には、甲子園会館前の広場に完成したシザーズ型展開構造の建築を設置し、青空のもと、そして日没後ライトアップして竣工写真を撮影しました。
 7月30日には講評会が実施されます。残された時間をプレゼンテーションの準備に費やしました。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題2: シザーズ型展開構造の空間構築」 第9, 10週
新着
2014年7月7日、8日、10日、14日、15日、17日 13:05〜16:20
担当: 岡崎教授、榊原教授、田崎教授、杉浦准教授

建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
キャスターも取り付けられ、組み立てが完了したフレーム。折りたたむと束状になり、保管スペースはわずか0.5平米で運搬も可能ですが、展開すると約26平米の有効床面積をカバーする。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
フレームと屋根膜の接点となる木製半球の頂部にポリエステルロープの引張材をたすき掛けに取り付ける。ロープの長さを変えて張力を微調整できる機構とした。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
妻面に追加する小アーチの検討 段ボールで原寸模型を制作
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
妻面に追加する小アーチの検討 設計図を作成し、部材寸法を決定
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
小アーチの制作
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III

フルサイズのフレームの展開プロセス。キルギス共和国およびアフガニスタン・イスラーム共和国から来賓の方々に披露しました。

 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
展開後、引張材のロープの長さを調整し、張力を導入する。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
学科長から来賓の方々に本課題について説明
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
展開したフレームの大きさを実測し、設計寸法と比較。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
左:屋根膜の縫製。教員もミシンに挑戦  右:幅3m長さ12mのタイベック3枚を縫い合わせて出来上がった屋根膜
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
展開したフレームに縫い上がった膜を載せてサイズを確認およびフレームと膜の固定方法を検討。

  フレームの組み立てが完了し、建物を覆う膜屋根の縫製やフレームとの取り合い部分の検討・制作を中心に作業を進めました。また、制作と並行して検討を重ねてきた妻面のデザインの方針が固まりました。かまぼこ形のヴォールトの両端に一回り小さいアーチを追加することにより、外観の正面性と内部の囲われた感じを強調したデザインに決定しました。当初は妻面にも壁や建具を設け内外を仕切る計画でしたが、外気に開放することにしました。
 7月10には、キルギス共和国およびアフガニスタン・イスラーム共和国から来賓があり、畳んだ状態のフレームを学生が展開する様子を見学されました。
 7月14日には、展開したフレームを実測し、設計寸法と比較しました。実際には自重によるたわみにより、設計より高さも広さも少し小さいことがわかりました。実測結果に基づいて実際のアーチの大きさにフィットする膜屋根を制作しました。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題2: シザーズ型展開構造の空間構築」 第7, 8週
新着
2014年6月23日、24日、26日、30日、7月1日、3日 13:05〜16:20
担当: 岡崎教授、榊原教授、田崎教授、杉浦准教授

建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
スタッドの切り出し、端部の加工
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
ヒンジ部分の金物の墨付け、穴あけ加工
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
シザーズユニットを連結し、フレームを組み立てる
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
フレームと地面のすき間を埋めるためのスペーサーを検討。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
畳んだ状態のフレーム端部 写真は桁行方向2マス×アーチ方向5マスまで組み上げた状態。最終的には桁行き方向3マス×アーチ方向7マスを目指す。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
桁行方向2マス×アーチ方向5マスまで組んだ時点で展開した様子。フレームの接地部分に土嚢を載せて地面に固定。ビニールロープの引張材を仮に取り付けてみる。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
筋交いの数や配置によってフレームの剛性がどのように変化するかを確認する実験
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
建物全体を覆う膜の試作。連結部の縫い方などについて検討を重ねる。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
屋根膜の試作(9m×3m)を展開したフレームに載せてみる。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
展開手順や簡便性を考慮しながら、フレームに膜を取り付ける方法を検討。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
膜とフレームの取り合い部分の試作。展開したフレームの頂点になる部分のヒンジに木製半球を取り付ける。これらが展開時におけるフレームと膜の摩擦を減らし、展開が完了した際には膜を支える。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
妻面のデザインを検討

 今回の計画では長さ1730mmmの杉のスタッド(棒状の材料)104本で52組のシザーズユニットを作り、ユニット同士を64個の金属製ヒンジで連結します。さらにヒンジは蝶番やT形の金物など複数の部品で組み立てられています。フレームを構成するこれら多数の材料の加工と組み立てに力を注ぎ生ました。また、建物全体を覆う膜屋根の試作やフレームに取り付ける方法の検討、フレームが地面と接地する部分のスペーサーやキャスターの設計・制作、妻面のデザインなども並行して取り組みました。6/26には、フレームにビニールロープの筋交いを取り付け、その数や配置によって、フレームの剛性がどのように変化するかを確認する実験を行いました。
 6/25の建築設計技術演習III(設備・環境)では、光環境実験室で照明器具の種類や位置を変えて膜屋根に使用する素材を実際に照らし、照明計画を検討しました。6/27の建築設計技術演習III(構造)では、今回制作中のフレームの幾何学的・構造的な特徴の理解を深めました。フレームを展開すると、四面体の切片(隣接しない2つの辺を面取りした立体)と四角錐の切片(四角錘台)の2種類の6面体が桁行方向に交互に並ぶ立体格子になります。展開後にシザーの開く角度を固定した場合、2つの構成ユニットの内、前者は折り畳むことができない安定した構造で、後者は折り畳める不安定な構造となります。また、7/2の建築設計技術演習III(施工)では、今回のプロジェクトの作業手順フロー図やネットワーク工程表の制作、労務費などのコスト計算に取り組みました。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題2: シザーズ型展開構造の空間構築」 第5, 6週
新着
2014年6月9日、10日、12日、16日、17日、19日 13:05〜16:20
担当: 岡崎教授、柳沢教授、杉浦准教授

建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
段ボールで原寸大のアーチを作成し、スケールを確認
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
フレームと屋根膜を一体に展開するプロセスのシミュレーション
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
グループごとに妻面のデザインおよび作り方を提案
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
左:屋根膜をビスでフレームに取り付けることを想定した場合の漏水試験 右:屋根膜端部の試作
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
モックアップ制作 杉の角材を鉋掛けし、設計寸法に製材する
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
モックアップ制作 シザーユニットの組み立て
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
モックアップ制作 ヒンジ部分の組み立て
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
モックアップ制作 4つのシザーユニットをロの字形に連結して基本単位となるフレームをつくる
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
モックアップ制作 7つのシザーユニットで、2つのロの字形が連結したフレームの展開プロセス

 先週までの作業で基本的な計画がほぼ固まりました。用途は「イベント時に休憩所などとして多目的に使用できる仮設建築」、形態は間口7.4m、奥行き7.4m、高さ4.6mのヴォールト形(かまぼこ形)、これを容易に展開・収納できるシザーズ型展開構造を採用して制作します。
 これを実現するために、構造体を地面に固定する方法、ジョイント部分の強度、屋根膜とフレームの納まり、人力で容易に展開するための展開方法、屋根膜の裁断・縫製計画などについて検討しました。また、まだ方針が確定していない妻面のデザインについてグループに分かれて検討を重ねました。
 6/16からは、先週試作した1つ目のシザーユニットのモックアップに対する考察およびヒンジ部分の詳細設計を反映して、新たに、25mm×35mm×1730mmの杉材を使用してシザーズフレームのモックアップを制作しました。シザーユニットを7つ連結したフレームでスムーズに開閉できることを確認した上で、シザーユニットとヒンジ部分の大量生産に取りかかりました。
 また、これまでに引き続き、制作と並行して、シザーズ型展開構造の基礎理論や特性、歴史などについて勉強会も行いました。  建築設計技術演習IIIでは、照明計画、熱環境の問題点確認と仕様の再検討、制作作業工程表の見直しなどに取り組みました。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題2: シザーズ型展開構造の空間構築」 第3, 4週
新着
2014年5月26日、27日、29日、6月2日、3日、5日 13:05〜16:20
担当: 岡崎教授、柳沢教授、杉浦准教授

建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
各グループに分かれて基本計画案を発表
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
それぞれの設計案の概算コストを求めて発表。予算内で最大の効果を上げることを念頭に案を改良、選定していく。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
屋根素材や取り付け方法について発表
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
妻面のデザインを検討
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
アーチの曲率やデプス、部材の長さを変化させ建物の規模を検討
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
屋根葺き材の候補である高密度ポリエチレン不織布「タイベック」を光にかざし、ライトアップ時の表情を確認
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
シザーズユニットのモックアップを開閉し、その基本的な挙動や全体を組み上げた時に学生の力で制御可能かどうかなどを考察

 先週に引き続き、論文(C. Gantes, A Design Methodology for Deployable Structures, MIT for PH. D., 19991)を読んでシザーズ型展開構造について理解を深めるとともに、シザーズ型展開構造のフレームの形態や屋根の設置方法について3グループにわかれて検討・発表を行い、意匠、材料、コスト、施工などさまざまな面から長所や短所について議論を重ねました。シンプルで美しい構成、休憩所として必要な面積を比較的少ない部材数で効率的にカバーできることなどから、間口7.4m、奥行き7.4m、高さ4.6mのヴォールト形(かまぼこ形)の建築にすることに決まりました。また、屋根は膜で葺くことにし、その材料について検討を重ねました。軽く、透湿・防水・遮熱性があり、縫合などの加工が容易でさらにライトアップした際に光が半透過して和紙のような美しい模様が浮かび上がる、高密度ポリエチレン不織布「タイベック」が有力候補です。
 その後、シザーユニットのモックアップ(原寸模型)の制作に着手。まずは規格品で入手や加工が容易な1×4(ワンバイフォー)材(19mm×89mm×1830mm)を用いてシザーユニットを試作しました。開閉する方向に力を加えたり、ねじったりして、ユニット自体の強度やジョイント部分にかかる力などを体感しました。さらに3つのユニットを既製品の蝶番で連結し、立体的に展開する挙動や全体を組み上げた時に学生の力で制御できそうかなどを考察したました。その結果、もう少しシザーユニットを短くし、かつ軽量化の必要がありそうです。
 また、妻面のデザインや屋根素材や取り付け方法、展開方法、ヒンジ部分の納まりなどについてグループに分かれて検討を重ねました。特にヒンジ部分の詳細設計には重点的に取り組み、案の改良を重ねた結果、既製品のT字金物と2つの横長蝶番、極低頭ボルト、25mm×45mmの断面の木材を組み合わせて、加工が容易で、かつ芯ズレを小さく抑えたシザーユニットの設計が完成しました。
 また、本演習と連携して実施されている建築設計技術演習IIIでは、基本単位となるシザーズユニットの有限要素法を用いた構造解析、フレームの剛性を確保するための引張材の取り付け方の検討、用途を考慮した環境面(照明、室温、換気など)での仕様の検討に取り組みました。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題2: シザーズ型展開構造の空間構築」 第1, 2週
新着
2014年5月16日、20日、22日 13:05〜16:20
担当: 岡崎教授、柳沢教授、杉浦准教授

建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
ブレーンストーミングで抽出された多岐にわたるキーワードを分類し、今後検討すべき事項を整理・確認
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
共同制作するシザーズ型展開構造の建築の企画について各自の案を発表
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
各自が発表した企画案についてディスカッション
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
模型(あたけぼね)を使って設計案の検討を重ねる
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
論文を読んでシザーズ型展開構造の理論や歴史について理解を深める

 建築設計総合演習II I第1課題では、シザーズ型展開構造を用いて展開・格納が簡易にできる紙管のドームを共同制作しました。その一方で構造、施工の技術的な面で多くの課題も明らかになりました。第2課題では引き続きシザーズ型展開構造にスポットを当て、屋外設置にも耐えうるシザーズ型展開構造の仮設建築物を計画・制作します。建築設計技術演習IIIと一体となり、第1課題の共同制作を通して培ったノウハウを意匠、構造、環境・設備、施工の各面において改良・進化させることを目指します。
 第1日目の5/16には課題説明の後、全員でブレーンストーミングを行い、用途、材料、形態など今後検討すべき事柄を洗い出し、その後KJ法によりキーワードを分類し整理しました。
 5/20からはシザーズ型展開構造を用いてどのような建築をつくるか企画検討に取り組みました。まず用途、形態、持ち運び案等について各自が考えた企画を発表。イベント空間、植物園、食堂、モスク、星を見る場所などさまざまな用途が提案されました。皆で議論して、用途は、12月初旬に実施予定の甲子園会館および庭園のライトアップにおいて見物客が利用する休憩所に決定しました。その後、模型を使って展開・格納可能な骨組みの案のスタディと議論を重ねました。
 また、各自がシザーズ型展開構造について理解を深めるために論文「C. Gantes, A Design Methodology for Deployable Structures, MIT for PH. D., 19991」を読み、分担してその内容を発表しました。
 さらに本演習と連携して実施されている建築設計技術演習IIIでは、有限要素法を用いた構造解析方法の理解、風荷重の計算などに取り組みました。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III および 建築設計技術演習III
「課題1: 紙管の建築」 合同講評会
新着
2014年5月13日 13:05〜16:20
総合演習担当: 榊原教授、杉浦准教授

技術演習担当: 鳥巣先生、杉浦修史教授、有岡先生
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
講評会の様子 紙管ドームの制作プロセスや紙管ドームを用いた構造実験、残された課題などの発表
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
講評会の様子 紙管ドームの見学
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
講評会の様子 各自の設計案の詳細模型を用いて構造や施工方法を説明
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
学生の作品 リゾートボート(モルディブ)
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
学生の作品 道路で分断された森をつなぐ、絶滅危惧種キンシコウのための橋(中国四川省)
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
学生の作品 イベント開催時に道頓堀川にかける仮設橋(大阪)

 5月13日に、建築設計総合演習IIIと建築設計技術演習IIIの合同講評会を実施しました。はじめに、紙管ドームの共同制作のプロセスや、紙管ドームを用いた構造実験などについてスライドを用いて発表しました。続いて、施工実習室で紙管ドームの実物を見学。その後、各自の設計作品を発表しました。原寸大やそれに近い大きさの詳細模型などを使いながら、各自が選定した用途や敷地に対して、紙管をどのように工夫して用いたかを説明しました。意匠、環境、構造、施工などの多方面から意見・指摘が交わされました。与えられた材料の特性をよく理解し、アイデアを絞って多様な用途や環境に対応させることのおもしろさと難しさ、アイデアを原寸大で実現するのに必要なディテールや仕様を科学的に計画することの重要さを再認識しました。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題1: 紙管の建築」 第5, 6週
新着
2014年5月8日、10日、12日 13:05〜16:20
担当: 榊原教授、杉浦准教授
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
教員との対話を重ね、ディテールを検討
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
各自の設計案の部分詳細模型を原寸大から1/5程度の縮尺で制作
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
作業の様子
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
作業の様子
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
作業の様子

 教員との対話とスタディを重ね、ディテールを煮詰めました。その後、講評会に向けて図面や透視図、模型の制作に取り組みました。

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題1: 紙管の建築」 第3, 4週
新着
2014年4月21日、22日、24日、28日、29日、5月1日、2日 13:05〜16:20
担当: 岡崎教授、榊原教授、杉浦准教授、芳谷先生
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
各自が選定した敷地や紙管の建築の用途等について発表・討論
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
共同制作した展開構造の紙管ドームを甲子園会館玄関前の広場に設置
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
紙管ドームのフレーム越しに甲子園会館をのぞむ
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
中間講評会
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
教員との対話を重ね、検討を進める
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
芳谷先生による手描き透視図の指導

 世界各地から選定した地域の風土や文化などの調査や、そこに建てる紙管の建築のアイデアについて議論を重ね、各自の基本的な計画が固まってきました。4月28日には、これまでの成果を一旦まとめ、中間講評会を実施。案を次のレベルに進展させるべく、活発な意見交換が行われました。
 また、先週共同制作した「シザーズ型展開構造の紙管ドーム」を甲子園会館の正面広場に設置し、紙管ドームと甲子園会館とが競演する写真を撮影しました。
 5月1日には、日建設計で透視図を多数手がけてこられた芳谷勝濔先生の指導のもと、効果的な手描き透視図の描き方の練習をしました。 

 
H26年度 修士2年生前期
建築設計総合演習 III
「課題1: 紙管の建築」 第1, 2週
2014年4月9日、14日、15日、17日 13:05〜16:20
担当: 岡崎教授、榊原教授、杉浦准教授
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
国内外の様々な気候、地形、文化、民俗、風習と生活空間のかかわりについて、文献やインターネットなどで調査。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
各自の設計に先立ち学生全員で共同制作する、シザーズ型展開構造のドームの仕組みおよび作業工程について説明。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
内径50mm、厚さ2.5mm、長さ740mmの紙管を110本加工する。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
紙管の両端に設置する木製パーツを220個制作。忍耐力の要る作業です。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
2つの横長蝶番を連結して、2軸回転可能なヒンジ(回転機構)のパーツを60個制作。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
2本の紙管と4つの木製パーツを組み立てて55個のシザーズユニットを制作。
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
5つのシザーズユニットを連結して動きを確認。ヒンジ部分の設計ミスで初めは予定通りに展開できませんでした。その後パーツの設計を改良し、クリア。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
改良後のヒンジ部分。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
10個のシザーズユニットを連結して動きを確認。上出来です。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
シザーズユニットの向き等を間違えないように連結していく。
 
建築学専攻修士2年生 建築設計総合演習III
まだ仮設の支えが必要ですが、直径約4.5mのドームの形になりました。

 建築設計総合演習IIIの第1課題では、世界各地から特徴的な風土の土地を各自で選定し、その地域の気候、風土、文化を考慮して、「紙管」を使用した建築を計画します。紙管を建築材料として用いることは一般的ではありませんが、軽量で加工しやすく環境に優しいなど、建材としての可能性も秘めています。  また各自が設計案を作成するのと並行して、学生全員の共同作業により、紙管の建築のモックアップ(実物大模型)を制作します。この原初的・身体的な体験を通して、紙管という材料と向き合い、従来通りの使用方法に留まらず、新たな建築的可能性を模索し、引き出す能力を鍛えます。
 4月9日には、課題説明の後、各自で国内外に存在する様々な気候、地形、文化、民俗、風習と生活空間のかかわりについて、文献やインターネットなどで調査し、敷地選定や設計案の検討に取りかかりました。その後、紙管の建築のモックアップのデザインや構造、制作スケジュールについて打ち合せをしました。今回は、シザーズ型展開構造(はさみを連ねたような構造で小さく折りたたみができる)のドームを制作します(※)。
 4月14,15日には、紙管のドームの共同制作に取り組みました。教員から作業工程などの説明を受けた後、2本の紙管と紙管端部の4つの木製パーツから成る、はさみ型のシザーズユニットの制作に取り組みました。最終的に55個のシザーズユニットが必要ですが、まず5個、次に10個と、形のまとまりごとにシザーズユニットを連結しては、折りたたみの動作確認をしながら作業を進めました。4月16日および18日の建築設計技術演習IIIの時間にも、施工および構造の担当教員の意見をいただきながら作業を進め、容易に展開・収納ができる直径約4.5mの紙管のドームの形ができあがりました。あとは、展開後にドームの形を安定させるための引張材を取り付ける作業を残すのみです。
 また、4月17日には構造設計者の川口衞先生より、折り畳み可能な建築についてご講義いただき、パンタドーム構法やシザーズ型展開構造などの論理や適用例についてわかりやすく解説いただきました。その後、共同制作した紙管のドームの実物を見ていただきました。

※シザーズ型展開構造のドームを制作するにあたり、阿竹克人先生の考案された「あたけぼね」(http://www.atakebones.com)を参考にさせていただきました。また阿竹先生からも貴重なアドバイスをいただきました。ありがとうございました。

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