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2020年度 トルコ文化研究センター研究会

アナトリアのドーム架構の展開に関する試論

 2020年度トルコ文化研究センター研究会が2021年3月12日(金)にオンラインで行われました。今回は横浜国立大学大学院 都市イノベーション研究院 都市イノベーション部門 准教授の守田正志氏をお招きして「アナトリアのドーム架構の展開に関する試論」というタイトルでご講演をいただきました。

 まず第1部は、イスラーム以前のアナトリアにおけるドーム架構のお話をいただきました。古代からキリスト教以前までの特徴として、円形平面のドームや、矩形平面にドームを載せる形式であるペンデンティブドームやスキンチドームの事例をご紹介いただきました。次にキリスト教文化圏下での展開として、ビザンツ建築とアルメニア建築のドームのお話をいただきました。

 第2部は、イスラーム文化圏下のアナトリアにおけるドームのお話をいただきました。先生が20年近く研究に取り組んでおられる、墓廟建築のドーム架構の解説をいただき、さらにはトルコ特有の三角形平面を用いたドーム架構の類型や年代、地域的特徴などについて詳細にご紹介いただきました。最後には、現在進行形で展開されておられるモスク建築にみるドーム架構の概略を教えていただきました。

 その後の質疑では、活発に議論が交わされました。アナトリアのドームの特徴を俯瞰的に理解することができる、大変貴重な機会となりました。