学生の皆さんへ
Online授業とグローバル化
建築学部長
岡﨑 甚幸
コロナ感染、online授業。建築学部の教育は、開設と同時に未知の新たな環境に突入した。ますます大容量化する動画によるonline授業は、建築学部でも教育研究のグローバル化を確実に促進する。
例えば6月8日、大学院生15人の設計実務演習の作品の講評会に、トルコ・イスタンブールのバフチェシヒル大学の教員2人がonlineで参加した。6時間の時差のため、午後3時から学生一人ひとりの作品の発表と講評が、両国の教員によって行われた。さらに6月20日、トルコ留学生二人の博士論文公聴会にも同大学の教員がonlineで参加。また例年、6月末から8月初旬まで、同大学学生10人が本学に滞在し、2~4年生の各設計演習に分散参加する。この交流も今年はonlineで実施する。
かつて、ケネディ米国大統領の提案で同国の数校に大学院都市デザインコースが開設された。私はその最初の年に母校からの推薦で入学した。ヨーロッパ4か国とアメリカの5人の同級生達とはコロナや大統領選挙の情報交換。今も大切な友人だ。また近年、アフガニスタン、ウズベキスタン、パレスチナ、ヨルダンなどの文化遺産の保存とそのための博物館設計に参加している。国際関係の難しさはいつもある。しかしそれらの国々で頑張っている多くの日本人や、日本を深く理解する現地の人々に出会ことができる。
わが国の建設業界をリードする企業への就職は、大学院の修了予定者達の競争の場だ。その中の建築設計の分野では、学歴ではなく、学力が問われる。書類選考等を突破した大学院生が即日設計で競う。まる一日、それぞれの会社に缶詰になって小型の建築物を設計する。近年、当大学院建築学専攻の多くの学生がこの難関を突破し、活躍している。
これらの企業の設計担当者には、毎月数社ずつ、各学年の設計演習の講評会に参加してもらっている。今年はこれもonlineで行う。学生達は、学部から大学院まで、ほぼ毎月一つの設計課題をこなしながら作品を蓄積。学部上級学年や修士課程の学生達の提案は、学外の講評者にも刺激になっている。