大学院 建築学研究科 建築学専攻 授業風景
建築学専攻修士2年生 【建築設計実務】
小河農村歌舞伎舞台 保存活用のための調査研究
2026年4月6日(水)~2026年8月27日(水)
担当:岡﨑教授、鳥巣教授、田川教授、山口講師、藤原先生、中村講師
「建築設計実務」の授業では、神戸市からの委託研究事業として、神戸市北区山田町に所在する『小河(おうご)農村歌舞伎舞台(小河大歳神社境内)』の調査研究に取り組んでいます。神戸市北区には江戸期より14棟の農村歌舞伎舞台が伝承されており、うち2棟(『上谷上』および『下谷上』の農村歌舞伎舞台)は現在も上演可能な状態が維持されています。小河農村歌舞伎舞台においても2018年まで上演が続けられていましたが、現在は建物の損壊が著しく、継続的な活用が困難な状況にあります。授業では、この歴史的建築の保存と継承を見据え、現況調査・実測調査を通じて建築的特徴の把握を行い、現況図面の整備や軸組模型の制作といった実践的な調査研究を展開しています。

小河農村歌舞伎舞台 現地調査の様子
CG透視図と動画
『小河農村歌舞伎舞台(小河大歳神社境内)』の保存修理後の活用イメージについて、現況調査に基づく図面を作成し、担当の大学院生がCGパース(透視図)を制作しました。

外観イメージ:歌舞伎舞台上演の様子(添景写真出典:神戸市公式ホームページ)

内観イメージ:こども歌舞伎体験会の様子(添景写真出典:神戸市公式ホームページ)

内観イメージ:舞台小屋組
模型写真と模型組み立て動画
『小河農村歌舞伎舞台(小河大歳神社境内)』の現況調査に基づき図面を作成したうえで、担当の大学院生が軸組構造を確認できる分解可能な模型(縮尺1/20)を制作しました。

模型写真 外観

模型写真 内観

模型写真 小屋組

模型写真 屋根あり

模型写真 軸組のみ
中間報告会
2026年8月27日(木)
担当:岡﨑教授、鳥巣教授、田川教授、山口講師、藤原先生、中村講師
神戸市の担当者の方々に向けた中間報告会を実施しました。
前期の授業「建築設計実務」から継続して参加している大学院生が、小河農村歌舞伎舞台の現況図面や模型写真、保存修理後の活用イメージを描いたCGパース、動画などを成果報告書としてまとめ、調査研究の進捗を発表しました。当日は舞台の現況に加え、柱・梁・壁・床・床下といった各部の接合状態に関する詳細な調査結果についても説明を行いました。

記念撮影

中間報告会の様子:担当した大学院生から現地調査についての報告

中間報告会の様子:担当した大学院生から舞台周辺の地形と敷地特性についての報告

中間報告会の様子:田川教授から木造クラブハウスでの人力加力振動実験の分析結果について報告
木造クラブハウスでの人力加力振動実験
2026年7月29日(水)
担当:岡﨑教授、鳥巣教授、田川教授、山口講師、中村講師
小河農村歌舞伎舞台の構造的特徴を理解するために、振動実験を行いその振動性状を調査します。その予備実験として、武庫川学院のキャンパスに建てられた木造軸組構法(在来工法)のクラブハウスを対象に実験を実施しました。人力加力による微小振動に対して加速度計で計測できるか、またどのように人力加振するのかを検討しました。

クラブハウスでの振動実験

クラブハウスでの振動実験
木造 門型フレーム(5段貫)の静的水平載荷実験
2026年7月16日(木)
担当:植田先生、田川教授
建築学科3年生の「建築材料実験」の授業で実施の木造材来軸組工法 貫の試験体の構造実験の見学を行いました。小河農村歌舞伎舞台でも、舞台正面以外の3面の壁には貫工法が用いられています。貫の試験体に水平力が加わった時にどういった変形が起こるのか、どの部分から破損が起こるのかを学びました。

貫の試験体 実験の様子

貫の試験体 実験の様子
建築学部オープンキャンパスでの軸組模型組み立て実演
2026年7月12日(土)
授業で制作中の小河農村歌舞伎舞台 軸組模型の組み立て実演を、大学のオープンキャンパスで行いました。担当の大学院生がプロジェクトの概要や舞台構造についても説明し、多くの来場者に見ていただきました。

軸組模型 組み立て実演の様子

担当する大学院生からプロジェクトについての説明
模型制作
2026年6月6日〜2026年8月1日(土)
実測図面に基づき、1/20スケールの軸組模型を制作しました。事前に見取図(起こし図)を作成して部材の寸法や組み立て上の整合性を確かめ、必要な資材を準備したうえで、専用工具を用いて加工を行いました。接合部分(仕口・継手)についても実際の建築構造を丁寧に再現しており、構造的な特徴を検証できる十分な精度を備えています。

軸組模型制作の様子

模型制作について教員と協議
農村舞台修理工事についてのレクチャー
2026年5月27日(水)
講演:植田先生
担当:岡﨑教授、鳥巣教授、田川教授、山口講師、藤原先生、中村講師
非常勤講師であり「建築靖武堂有限会社」棟梁の植田先生をお招きし、宍粟市指定有形民俗文化財「河原田農村芝居堂」の修理工事に関する講義を行っていただきました。文化財修理の豊富な実績を持つ植田先生より、着工前の状況から修理箇所、具体的な施工法に至るまで詳細にご解説いただいたほか、小河農村歌舞伎舞台における今後の保存・修理計画についても議論しました。

植田先生による河原田農村芝居堂修理工事についてのレクチャー
図面作成
2026年4月6日〜2026年8月1日(土)
現地調査の結果を反映し、事前作成図面の修正を行うとともに、建築の現況をより正確に記録・表現するための追加図面を検討・作成しました。作成にあたっては、大学院生と担当教員が何度も協議を重ね、細部の納まりや表現方法を精緻に検証。図面全体の整合性を追求しながら、完成度の高い図面を作成しました。

現況図面作成について教員と協議

叉首(サス)頂部の納まりについて議論

担当する大学院生同士での打ち合わせ
現地調査
2026年5月9日(土)/2026年6月6日(土)
担当:岡﨑教授、鳥巣教授、田川教授、山口講師、中村講師、藤原先生、神家先生、八幡先生
2回に分けて現地調査を実施しました。神戸市北区の担当者さま、山田町小河の地域の方にも同席いただきました。調査にあたっては、担当大学院生が事前作成した図面(平面・立面・断面・天井伏・小屋伏図)を持参しました。チームごとに実測・記録・写真撮影と役割を分担し、舞台の現況や軸組の納まりを撮影・記録しながら、図面へ寸法を落とし込んでいきました。第1回調査では建築本体に加え敷地周辺の環境調査をあわせて実施し、第2回調査ではレーザー墨出し器やレベル測量機器を活用して、舞台床と地面のレベルを精密に計測しました。

現地調査の様子 5月9日(土)

現地調査の様子 5月9日(土)

現地調査の様子 5月9日(土)

現地調査の様子 6月6日(土)

現地調査の様子 6月6日(土)

現地調査の様子 6月6日(土)

現地調査前に作成した図面:全て舞台の写真や参考資料からの推定で、担当の大学院生が作成