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2017年度 トルコ文化研究センター研究会 第3回

『西北インドの仏教寺院におけるストゥーパとガンダーラ彫刻』

講師
内記 理 氏(京都大学 文化財総合研究センター 助教)

会場の様子

 2017年度第3回トルコ文化研究センター研究会が2018年3月8日(木)に甲子園会館にて行われました。今回は、京都大学文化財総合研究センター助教の内記理氏をお招きして「西北インドの仏教寺院におけるストゥーパとガンダーラ彫刻」というタイトルでご講演をいただきました。
 まずは、ガンダーラを中心にした西北インドの仏教遺跡や歴史、既往研究についてご説明いただきました。その後、仏陀の出生直前から涅槃直後までを表現した仏伝図の彫刻(浮彫画像帯)について、彫刻に描かれたそれぞれの場面の物語についてご紹介いただきました。内記先生は、京都大学イラン・アフガニスタン・パキスタン学術調査隊が作成した資料を分析対象として、従来の研究では扱われなかった、ストゥーパと、ストゥーパを荘厳するために用いられた画像帯の関係に着目して研究を行われています。ガンダーラのタレリ遺跡、メハサンダ遺跡、ラニガト遺跡から出土した画像帯について、寸法や画面の構成からグループ分けを行うことで、各寺院の画像帯の制作時期や、仏伝図の中でどの場面が好まれたかという傾向を推測できることをご教示いただきました。
 ストゥーパという建造物と関係づけた画像帯の研究であることから、質疑応答では、彫刻と建築の関係について活発な議論が交わされ、充実した研究会となりました。


 

■日時:

2018/3/8(木) 13:30~16:00

■講師

内記 理 氏 (京都大学 文化財総合研究センター 助教)

プロフィール
2008年、京都大学文学部卒業。2011年、ウィーン大学訪問研究員。2013年、京都大学大学院文学研究科指導認定退学。2013年より、京都大学文化財総合研究センター助教。文学博士。京都大学に所蔵される西北インドの発掘調査資料をおもな分析材料とし、考古学的な手法を用いて、西北インドの歴史・文化を究明する研究をおこなっている。『ガンダーラ彫刻と仏教』(2016年、京都大学学術出版会)

■会場:

上甲子園キャンパス 甲子園会館 K-222

西宮市戸崎町1-13 (JR「甲子園口」駅下車徒歩10分)

>>甲子園会館へのアクセス

■参加対象者:

入場無料・事前申込不要 (学外の一般の方も参加可能です) 

■問い合わせ先:

武庫川女子学トルコ文化研究センター
TEL: 0798-67-4501