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2018年度 トルコ文化研究センター研究会 第3回

『建築的空間から見た中国の石窟寺院 ー敦煌莫高窟・天水麦積山石窟を中心としてー』

講師
末森薫 氏(国立民族学博物館 学術資源研究開発センター 機関研究員)

会場の様子

 2018年度第3回トルコ文化研究センター研究会が2019年3月15日(金)に甲子園会館にて行われました。今回は国立民族学博物館学術資源研究開発センター機関研究員の末森薫氏をお招きして「建築的空間から見た中国の石窟寺院 -敦煌莫高窟・天水麦積山石窟を中心として-」というタイトルでご講演をいただきました。
 まずは、中国にある石窟寺院についての概要をご紹介いただきました。その後、天水麦積山石窟の石窟内部の空間構成について、壁画に描かれた建築的要素や建築物に注目しながら、時代別にご説明いただきました。また、末森先生による崖面のほぞ穴の分析から、存在が知られていなかった崖面の構造物があることが明らかになったことをご教示いただきました。
 後半は、敦煌莫高窟についての全体像をお話しいただいた上で、壁画を手掛かりに、莫高窟が宗教的空間としてどのような機能を果たしていたのかをご解説いただきました。そこでは、莫高窟における膨大な量の壁画の千仏図の分析を通して、石窟空間の意味や、空間が変化していったことが推測できることをご説明いただきました。
 講演後の質疑応答では、壁画や図像などに関する活発な議論が交わされ、シルクロードの長い歴史の一端を辿る、興味深い研究会となりました。


 

■日時:

2019/3/15(金) 13:30~16:00

■講師

末森薫 氏 (国立民族学博物館 学術資源研究開発センター 機関研究員)

プロフィール
国立民族学博物館学術資源研究開発センター機関研究員。筑波大学大学院世界文化遺産学専攻単位取得退学。博士(学術)。東京文化財研究所文化遺産国際協カセンター客員研究員、国際協力機構大エジプト博物館保存修復センタープロジェクト専門家、関西大学国際文化財・文化研究センターPD等を経て 2018年より現職。博物館資料の保存・管理に関する実証的研究に携わる。また、光学手法を用いた壁画調査など中国甘粛省の仏教石窟を対象とした多面的研究を進めている。

■会場:

上甲子園キャンパス 甲子園会館 西ホール

西宮市戸崎町1-13 (JR「甲子園口」駅下車徒歩10分)

>>甲子園会館へのアクセス

■参加対象者:

入場無料・事前申込不要 (学外の一般の方も参加可能です) 

■問い合わせ先:

武庫川女子学トルコ文化研究センター
TEL: 0798-67-4501