武庫川女子大学 建築学科・大学院建築学専攻
 
武庫川女子大学東京センター主催 講演会シリーズ

「わが国の近代建築の保存と再生」

 明治以降、西欧文明の影響を受けながら発展を遂げてきた近代建築が、互いの美を競うように軒を並べる歴史都市には、居ながらにして世界を旅するような魅力があります。「わが国の近代建築の保存と再生」に関する講演会を3年間にわたり開催することで、豊かな都市環境の在り方を考えます。
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第10回

「 近代数寄空間」

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会場の様子 日本工業倶楽部会館 2階 大会堂
 

 武庫川女子大学東京センター主催の講演会シリーズ『わが国の近代建築の保存と再生』の第10回目の講演会「近代数寄空間」が、5月24日(土)に東京丸の内の日本工業倶楽部会館で行われました。今回は第9回でもご講演いただいた京都工芸繊維大学准教授の矢ケ崎善太郎氏、造園家で京都造形芸術大学教授の尼部諮ウ氏のお二人に加え、構造家で法政大学名誉教授の川口衞氏をお招きしてご講演をいただきました。

  矢ケ崎善太郎氏からは「数寄屋の文人趣味と大工の動向」というタイトルでご講演をいただきました。数寄屋造りを文化財として評価する際には、茶の湯の文化を理解する必要があり、特に幕末から昭和初期にかけて大流行した煎茶文化に注目すべきであると示されました。その後、煎茶文化に端を発した数寄屋建築の解説と、草庵茶室との違いについて説明いただきました。

 尼崎博正氏からは「庭に込められた数寄者の感性」というタイトルでご講演をいただきました。最初に、東京にあった数寄者の庭の特徴についてご説明いただきました。いずれの庭園も、自然の谷戸地形を利用して高台に設けられ、眺望と水の流れをうまく利用していたことを解説いただきました。次に、明治期の茶の湯の先駆者である益田克徳と同じく茶人の高橋箒庵(そうあん)について、また抹茶と煎茶の対抗、植治(小川治兵衛)の露地という観点から、明治期の日本庭園がいかに自然の地形や眺望を重視して造られたかをお話いただきました。

 川口衞氏からは「解体の危機に直面するモスクワのランドマーク鉄塔 シューホフ・タワー」というタイトルでご講演をいただきました。設計者のウラジミール・シューホフは、ロシアの技術者・構造家・建築家で、シューホフ・タワーと称される双曲面構造の外観をもつ鉄塔を創出し、ロシアだけでなく世界の構造デザインに大きな影響を与えた人物です。今年の2 月に搭の解体をモスクワ市が決定したということで、世界の建築・構造家の間で保存・維持の嘆願活動が起こりました。シューホフの作品の紹介と共に、現在行われている搭の保存運動についてお話いただきました。

 今回も多くの方々にご来場いただき、誠にありがとうございました。講演会の冒頭で本学の岡阜囃z学科長からご説明いたしましたように、この講演会シリーズ『わが国の近代建築の保存と再生』は、2011〜2013年度の3年間の開催予定でしたが、お陰様でご好評をいただいておりますため、延長させていただくこととなりました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。次回は2014年11月15日(土)に「東京の近代建築」と題しまして、陣内秀信氏(法政大学デザイン工学部教授)と第6回でもご講演いただいた藤岡洋保氏(東京工業大学大学院 理工学研究科教授)をお招きします。その後、日本各地の近代建築をテーマに取り上げていく予定です。どうぞご期待ください。

 
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矢ケ崎善太郎氏 ご講演の様子
 
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矢ケ崎善太郎氏 ご講演の様子
 
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尼崎博正氏 ご講演の様子
 
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尼崎博正氏 ご講演の様子
 
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川口衞氏 ご講演の様子
 
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川口衞氏 ご講演の様子
 
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■緊急追加企画
 特別講演
:解体の危機に直面するモスクワのランドマーク鉄塔 シューホフ・タワー
 川口 衞 氏
(法政大学名誉教授、株式会社 川口衞構造設計事務所主宰)

 講演会シリーズ 第7回にて「丹下健三作品の構造」をテーマにご講演いただいた構造家の 川口 衞 先生に、世界の建築遺産の保存について最新情報をお話しいただきます。 ウラジーミル・シューホフ(1853 -1939 ) は、ロシアの技術者・構造家・建築家で、シューホフ・タワーと称される鉄骨を格子状に組む双曲面構造の外観をもつ塔を創出し、ロシア建築および世界の構造デザインに大きな影響を与えた人物です。今年の2 月にタワーの解体をモスクワ市が決定したということで、世界の建築・構造デザイン分野に衝撃が走り、保存・維持の嘆願活動が起こっています。

 
日時
2014 5/24(土) 13:00〜
講演
数寄者の文人趣味と大工の動向
矢ケ崎 善太郎氏 (京都工芸繊維大学大学院 准教授)
庭に込められた数寄者の感性
尼崎 博正 氏 (造園家、京都造形芸術大学教授)
主旨説明・進行 岡崎 甚幸 (武庫川女子大学建築学科長、教授、京大名誉教授)
会場
日本工業倶楽部会館 2階 大会堂
東京都千代田区丸の内1の4の6
(JR東京駅丸の内北口から徒歩2分)
■参加対象者入場無料 ・定員200名 事前申込制 
 ※応募者多数の場合は抽選となります。
  当選者の発表は、参加証の発送をもって代えさせていただきます。
後援
社団法人 日本建築学会
公益社団法人 日本建築家協会
公益社団法人 日本建築士会連合会
日本イコモス国内委員会
建築史学会
公益社団法人 ロングライフビル推進協会
■お申し込み方法
 郵便はがき またはFax, E-mailにて 下記を明記の上、お申し込みください。 抽選結果はハガキでお知らせします。ハガキの場合は1枚で2名様まで応募できます。  
 1.講演会名称  
 2.応募者全員の氏名(ふりがな)、年齢、性別  
 3.郵便番号・住所  
 4.電話番号、Fax番号  
 5.E-mailアドレス
 
 
締切 平成26年59日() 当日消印有効
■お申し込み先
郵便はがきの場合:
武庫川女子大学東京センター        
〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルタワー9階  

Faxの場合:0798-67-4505  

E-mailの場合:arch@mukogawa-u.ac.jp  

■お問い合わせ先  
武庫川女子大学東京センター TEL: 03-5512-1170
E-mail : tkycntr@mukogawa-u.ac.jp
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